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【Illustrator】初心者最初のハードル、パス&ペンツールを攻略するコツ

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パスのコツサムネイル
私は本当にペンツール(パスの扱い)が苦手です。デザイン系の仕事を始めたばかりのときに、先輩に「パス苦手なんです」と言ったところ、「ハハッ、こりゃ本当にヒドいね!」と笑顔で言われたくらい残念な具合です。今ではヘタレながらもそれなりに早く扱えるようになったので、どこらへんを気をつければコツが掴みやすいかなーという部分を踏まえて、簡単なトレースをしてみたいと思います!

パスの基礎

パスはベジェ曲線というもので描かれておりまして…と言うと難しくて「やめろおお」となりますが、早い話「点と点を結んで、間の線をいい感じに調節する」ことで絵を描いていきます。

パスの構造

「パス」は、線をつなぐアンカーポイントと、間の線の状態を制御するハンドルで作られています。それぞれの役割が分かれば、調整の仕方も分かってくるのではないかなーと!

アンカーポイント

線を結ぶ点だと思えば良いかと思います…。線の描き方を制御するハンドルがもれなくついてくるので、このアンカーポイントを起点にパスを調整します。 アンカーポイント

ハンドル

アンカーポイントから伸びていて、アンカーポイント間の線をどう描くかを制御するのが「ハンドル」です。制御はハンドルの方向と長さで行われていて、「ハンドルの方向に、ハンドルの長さの分だけ線が引っ張られる」感じで調整されます。 ハンドル 左右(?)のハンドルが直線状になっていると、そこのアンカーポイントは曲線になります(スムーズポイント)。ハンドルが出ていないと、アンカーをつなぐ線が直線に。また、左右のハンドルが直線になっていない場合、アンカーポイント部分は角ができます(コーナーポイント)。 スムーズポイントとコーナーポイント

基本ツールを知る

パスを扱う上で必要なツールは大体5つ。「ペンツール」「ダイレクト選択ツール」「アンカーポイントの追加ツール」「アンカーポイントの削除ツール」「アンカーポイントの切り換えツール」です。CCだと「アンカーポイントの切り換えツール」が「アンカーポイントツール」になります。

ペンツール

クリックした部分にアンカーポイントを作っていきます。クリックしてそのままドラッグすると、その方向にハンドルが伸びます。ショートカットはPです。 ペンツール

ダイレクト選択ツール

アンカーポイントを直接選択できます。位置やハンドルの調整などに便利。ショートカットはAです。 ダイレクト選択ツール

アンカーポイントの追加ツール

パスに対してアンカーポイントを追加したいときに使用します。ショートカットはShift++です。 アンカーポイントの追加ツール

アンカーポイントの削除ツール

いらないアンカーポイントを削除したいときに使用します。ダイレクト選択ツールで選択してdeleteだとパスが途切れてしまいますが、アンカーポイントの削除ツールは、パスはつながったままでアンカーポイントのみを消してくれます。ショートカットはです。 アンカーポイントの削除ツール

アンカーポイントの切り替えツール

アンカーポイントのハンドルを調整するときに使用します。アンカーポイントを直接クリックしてからドラッグすると、スムーズポイントとして調整できます。ハンドルを直接クリックして調整すると、片方ずつ動かせるので、コーナーポイントを作ることができます。ショートカットはShift+Cアンカーポイントの切り換えツール

パスに慣れてみよう

やっぱりいじるのが一番!ということで、ちょっとしたトレースをしてみるのがおすすめです。 トレースをするのに大きなポイントになるのが、アンカーポイントをどこに置くのか?ということです。

アンカーポイントのツボ

手当り次第にアンカーポイントを置くと、割と思い通りにならないことが多いです。できれば最初はアンカーポイントを少なめにして、どうしても思い通りにならないときにポイントを足していく方が上手くいきやすいはず…です…。 「少なめって言われても…どこに置いたらいいの?」と思ってしまいますが、大体の目星になるのは以下の三つです。
  1. とがっている部分
  2. 曲線の両端
  3. 曲線の山&谷の部分

①は絶対、②・③は場合によって…という感じです。それでは詳しく見ていきます。

01. とがっている部分

角はアンカーポイントがないと作れない(こともないですが、あまりキレイなパスではないですね…)ので、これは絶対です。 アンカーのポイント1

02. 曲線の両端

単純なカーブの場合は、カーブが始まる両端にポイントを置くとうまくいきます。カーブが連続している場合や、直線から連結している場合も、カーブを分割して始点・終点を考えるとポイントが分かりやすいと思います。 アンカーのポイント2

03. 曲線の山&谷の部分

複雑なカーブはこちら。ゆるめの曲線が連続する部分や、円に近いような急カーブなどは、曲線の山や谷の頂点に近い部分にアンカーポイントを置きます。また、②では線を沿わせるのが難しそうな場合に加えたりすることが多いですかね。 アンカーのポイント3
おすすめの練習ツール
コツを掴む練習に使えるドキュメントやツールです。
  • Illustrator Pen tool exercises | Veerle’s blog 3.0
    この練習用ドキュメントはホントお世話になりました…。よく使いそうな描画パターンのアンカー・ハンドルの関係がガイドされているので、一通りやってみることをおススメします! ex-tool1
  • Shape Type, the letter shaping game
    フォントに合わせてハンドルを調整して点数を出す、ゲーム感覚のWebサービスです。ハンドルの方向や伸ばし具合の勘をつかむのに良いかと思います! ex-tool2

実践してみよう

例としてこんな鳥をトレースします。人工物とかだと、ゆがみとかが気になって自分の残念さに絶望したりするので…(私は)。もちろんモフモフのところは割愛してますよ。 トレースの題材 ざっと見て、先ほどのツボになりそうな部分を見極めていきます。 カーブを分割して考えると分かりやすいですね!ポイントとして、R(カーブの具合)が全く変わる部分は別カーブとした方がやりやすいです。この鳥だと①②のツボがほとんどになりそうですね…。最初は分かりやすい角の部分から始めていきましょう! アンカーポイントを見極める
大体これくらい引っ張れば曲線に沿いそう…という方向にハンドルをのばします。次のツボをクリック→ドラッグで、いい感じに線が沿うようにハンドルを調整します。 トレース開始 進めていくと、全然思う通りにトレースできない…ということもありますが、アンカーを増やしすぎるのは禁物。後から調節できるので、放置して進んでしまってOKです。
途中でコーナーポイントを作りたい場合は、Option(WindowsはAlt)を押しながらアンカーポイントをクリックすると、クリックしたアンカーをコーナーポイントに切り替えることができます。そのまま次をクリックすれば、パスを続けることができますよ! コーナーポイントを作る
一通りパスを作り終えたところですが…おかしな部分がたくさんあるので、調整していきます。 パス
微妙なカーブや思うように沿わない部分には、必要なアンカーを増やして調整。 アンカーポイントを追加する
複雑にしすぎてしまった部分はアンカーを減らして、アンカーポイントの位置やハンドルを調整してパスを沿わせます。 アンカーポイントを削除する
うまいこと線が沿っていない部分も調整しましょう。アンカーの位置や、ハンドルの長さ・方向をいじったりします。スムーズポイントを維持して調整したい場合は「ダイレクト選択ツール」、コーナーポイントにしたい部分は「アンカーポイントの切り替えツール」を使うといいですよ! ハンドルの調整
調整に使えるツール
どうしても滑らかなパスができない…というときに使える機能をいくつか紹介します。
  • スムーズツール ツールパレットの「鉛筆ツール」を長押しすると、スムーズツールが選択できます。選択中のパスに対してなぞると、角の部分がなくなって滑らかなパスに。ただし、アンカーポイントが増えたり、思い通りにならなかったりもするので、正確さが必要なトレースには向いてないかもしれないですが…。スムーズにしてから微調整!というのは結構使えたりします。 スムーズツール
  • スムーズポイントに変換 ダイレクト選択ツールを使っているときにツールバーに現れる、「スムーズポイントに変換」という機能。意図せずコーナーポイントになってしまっているアンカーを選択して、スムーズポイントに変換アイコンをクリックすると、ハンドルが直線になるように調整されます。 スムーズポイントに変換
調整が終われば、無事にトレース完了です!鳥のベクターシルエットができました。 トレース終了

まとめ

アンカーの置き場所が何となく分かれば、あとはハンドルでうまいこと沿わせていくだけなので、パスもそれほど難しくないかと思います。私は未だに苦手ですけどね…。 まずは好きなものや簡単なものをガンガントレースしてみて、「パスに慣れてきたかも…」と思ったら、フォントなどの実践的なトレースにも挑戦してみてください。
たくさん数をこなすうちにハンドルの出し加減なども身に付いていくので、そのうちパス名人になれると思いますよ!
それではまた!